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敷金とは?(敷金訴訟問題)〜


今回は、賃貸借契約で聞かれる敷金についてのご紹介です。
敷金についてはこの2〜3年の間で扱いについて裁判沙汰になるケースが激増しています。鹿屋でも敷金返還についての揉め事が多いことも事実です。


「敷金とは何か」、これが大家(不動産屋)と借主の間で考え方が違うのがそもそもの問題点であると思います。
この考え方の違いをまず比較してみたいと思います。


その前に一般的な不動産屋からみた敷金の取り扱いについてご紹介します。
通常敷金は畳・襖などの交換費用とクリーニングを計算して出す場合が基本です。そして賃料の何ヶ月分で足りるかを計算して出していきます。その結果、大抵の場合アパートは賃料の2ヶ月分、貸家は賃料の3ヶ月分となるのです。
ただし、これはあくまで鹿屋市内での慣習です。

関西、特に大阪の場合には敷金引きといって通常は賃料の半年分をとる場合が多いです。敷引きとは、あらかじめ損害賠償の予定額を決めておいて、支払っておけば、部屋を著しく汚したり、壊したりしても大家が借主に対して請求をできないようにするものです。その代わり、敷引き扱いされた敷金は返ってくることはありません。これが関西で敷金が多い理由です。

関東、特に東京では、礼金があります。礼金とは、大家さんに貸していただいたお礼となるお金です。通常礼金は賃料の1〜2ヶ月分で、これも返ってくることはありません。礼金のそもそもの由来は住宅事情が悪かった(貸家が少なかった頃)貸していただいたお礼としての意味合いが現在まで色濃く残っているものです。


現在、敷金の取り扱いの揉め事が多くなった結果、鹿屋では存在しなかった礼金や敷引きが増えてきており、これがまた揉め事になってきている状態です。

賃借人がココ最近になって敷金についての訴訟をおこし始めたのが国土交通省(旧建設省)の敷金に関するガイドラインです。この中にさまざまな項目があり、それらの項目と賃貸借契約を結んでいる契約内容との間に大きな違いがあるため
賃借人はガイドラインをたてに訴訟を起こしているのが大きな理由となります。

また、現在の深刻な不況も理由のひとつです。給料の減少や住宅手当のカットが家計を圧迫し、その結果、敷金に対するあいまいな取り扱い方が問題となっているのが実情となっています。

そして今の賃借人にとって敷金はあくまで「とりあえず大家に預けているお金である」ことです。つまり、自分が壊したり、汚したりした場合には敷金から引かれるのは我慢できるが、それ以外のことで敷金を返還しないのはおかしいと考えているのです。


一方、大家側としては、「敷金とは大家がもらったもの」と考えている方が多いようです。その結果、畳・襖の交換費用とクリーニングを差し引いたお金を返還せずにいる方が出てくるのです。

また、最近では賃貸物件の増加や不況もあって賃料を下げざるをえなくなってきています。さらに、賃借人のニーズにこたえるため、室内のリフォームや業者を入れてのクリーニングなど費用が大きな負担となっているのが実情です。そこに、敷金問題が出てきたため、「受けて立つ」構えで訴訟を行うのです。


では不動産業者はどうしているのか?
不動産業者は、大家に敷金を預けているのが一般的な場合が多く、また大家の物件で商売をするため、どうしても大家側の意見をきいてしまう場合が多くなってしまいます。


敷金に対する扱いは正直言って難しいものです。もし仮に敷金をなくしてしまうと、大家側は、室内のリフォーム(クリーニング)を賃借人に対して実費で請求してきますし、万が一滞納などによって家賃が取れない場合は全額を連帯保証人に請求してくる場合もあります。また、賃料を敷金の代わりに上げてくる場合もあり、その結果賃借人に不利になってしまう場合もでてきます。


基本的には本契約書の前に行う重要事項説明で敷金の取り扱いについてきちんと業者が説明を行うことが大事です。
敷金をどのようにつかうか、その際の畳や襖の相場、入居前に行ったクリーニングの大体の費用を大まかでもよいから説明しておくことが大事です。

また、敷金の額についても選択型で入居者に選ばせることも一案だと思います。つまり、畳・襖を交換したりする場合には敷金3ヶ月分で畳襖を替えない場合には敷金2ヶ月にするとかです。そうしておけば入居者にとっても分かり安いし、金額の面で負担が少なくてすむと思います。

結果的には、敷金の取り扱い方に幅を持たせ、なおかつ契約前にきちんと説明を行い、書面化することが揉め事を出さない一番の近道です。

国土交通省のガイドラインは、個人的にはやりすぎだと思いますが、大家としては、敷金の取り扱い方をきちんと提示し、入居者としては、必ず、契約前に契約書を読んで疑問点は不動産業者なり、大家に聞いて、納得の上で契約することがお互い大事なことではないでしょうか。