第4回〜資産形成偏〜

資産形成とは
不動産投資では、単体で収益を上げつつけるのは至難の業です。賃貸経営では、最低でも2・3棟は必要となります。複数持つことで空室や家賃収入によるリスクバランスをとるためです。複数棟もつためには、1棟目は次のステップにつなぐ為の原資作りとなります。
2棟目をつくるまでの準備
まず1棟目の賃貸運営をはじめて、半年〜1年までの間は2棟目をつくるための準備期間となります。金融機関の信用が有る場合には一気に2棟目まで融資付けをするのが良策ですが、金融機関との取引がはじめての場合には、様子をみます。期間を置く理由としては、金融機関に対する信用付けです。金融機関からすれば、1棟目が上手くいくかどうかを見ていく必要があります。物件が満室になり、なおかつ月々の返済が問題ないと判断を受けるまで最低でも半年の期間が必要だからです。もうひとつには毎月の家賃収入を貯蓄しておくことで次の融資の原資を用意する必要もあります。毎月20万円程度の手取りがあれば半年で、120万、1年で240万円の原資が用意できます。これを元手に次の行動をおこします。
2棟目はできれば中古物件の取得が理想です。中古物件であれば取得コストが少なくて済みますし、すぐに家賃収入が確保できます。なにより、金融機関からの融資が下りやすいのが魅力です。
ただ、中古物件は表だって市場にでることは少なく、仮に出たとしても収益率の少ないものが多いものです。良質物件は内々で出回り、内々で取引が成立するものです。いかに早く情報を手に入れるかにかかっています。

中古物件の取得が難しい場合は、やはり新築物件をつくる必要があります。ただ、2棟目はできるだけ土地の取得をメインに動きます。1棟目では、原資のない場合がほとんどですが、2棟目では、ある程度の原資があるのでそれを活用しない手はありません。予算内でいい立地や広さのある物件があれば、積極的に手付けを打って抑えておきます(手付けを打つ際にローン停止条項を入れておく確認はしておきます)。金融機関の融資相談はその後からでも問題はありません。
2棟目を作る際にはできるだけ強気でいきます。金融機関の対応として2つあります。ひとつは次のアパート経営までの機関を先送りする場合、もうひとつは、積極的に融資を行う場合です。後者の場合ではなんら問題ありませんが、前者の場合にはこの状態を後者に持っていく必要があります。態度を覆させるには、1棟目の実績と2棟目のアパート経営に対するプランを積極的にアピールする必要があります。その過程で土地などの手付けなどをさらりと話しておけば、話が前に進みやすいからです。簡単にいえば呼び水作りといったところでしょうか。あとは1棟目と同様にやればほぼ計画通りにすすむはずです。
3棟目からの戦略
3棟目以降になると戦略作りにかかります。2棟目までは大抵なんとかなります。しかし3棟目以降になると金融機関の対応が実績によって大きく変わってくるのが通例です。過去の実績を認めてくれる場合は良いのですが、借入額の金額を盾に融資を渋る金融機関もでてきます。2棟目までで大抵は1億を超える借入額をおこしています。そうなると支店長決済では、すんなりといかないことがままあります。これ以上の借入をおこす場合は、9割方本店決済の必要がでてきます。でここでひとつ手を打ちます。セカンドバンク捜しです。融資をつけてくれそうな次の金融機関を探すのです。セカンドバンク探しは、意外とすぐに見つかります。理由は2棟の賃貸経営の実績があるからです。この実績を引っさげて捜しまわればまず問題はありません。ただし、そこの金融機関で融資を申し込む理由付けはしておいてください。金融機関は必ずといっていいほど裏をとります。マイナスな理由で無い限りは話は聞いてもらえます。
3棟目ではできれば中古物件の取得を最優先で考えます。理由は事情があってここではいえませんが、欲しいところです。
仮に3棟目まで物件が揃った場合、不動産投資を一旦中止します。ここまでである程度の収益はでてきています。それらを見直して次のプランを策定する必要があるからです。十分な収益がある場合には、しばらく様子を見ながら原資を蓄えていきます。収益が不十分な場合には、すぐに次の投資を策定していきます。次の投資を策定していく場合、原資の確認をします。原資が100万単位である場合には、競売などの転売を考えるのも手です。不動産転売は短期間で収益を上げやすいものです。利益も100万円以上は見込めます。それを何回か繰り返すことで、着実に利益を増やしていきます。また将来資産価値が上がるような物件を手に入れておくことも念頭に入れておきます。
原資が少ない場合には、4棟目の物件準備にかかります。4棟目ともなると金融機関は渋る割合が増えてきます。さすがにすんなりとはいきません。ここで奥の手を出します。残念ながらここではご紹介できませんが、融資額の減額などはあるとおもいますが、融資がでないことはまずありません。ただし、リスクが高いので出すタイミングが肝心です。
土地の取得から考える場合には、できれば土地の取得は現金でやります。すこしでも借入額を減らしておくことで、毎月の手取りを増やします。(あと金利上昇に対する負担を減らすことも一因です)
4棟持てば大抵はそれなりの収益が上がってくるので、ひとまず不動産投資を中断して様子見と原資を蓄えていきます。
繰上げ返済はすべきか?
住宅ではよく繰り上げ返済のアドバイスをします。しかし、不動産投資では繰上げ返済はすべきではありません。大きな理由としては、節税対策に影響を及ぼすからです。不動産投資では借入の利子部分が経費として落とすことができます。返済自体は入居者の家賃収入でまかなわれているので、家主に実質的な負担はありません。経費で落とせるものをわざわざ減らす必要はありません。繰上げ返済をするのであればその分を別の投資の原資として活用するほうが何倍も上手い手といえます。
借入額の増大について
不動産投資では複数投資物件を持つと、借入額は億単位になるのが一般的です。大家さんの中にはこの金額に不安をもつ方もいらっしゃいます。新米大家さんの中には「自分が返せる範囲でアパート経営をしたい」と考える方が意外と多いものです。しかしながら、この考えは間違っています。そもそも投資とは、原資を元に何倍もの利益を上げる商売です。不動産投資にかかわらず、投資を行う時点で自分の返済能力以上のリスクをすでに伴っているのです。逆に自分の返済能力以下の投資はほとんど利益も得られませんし、やる意味もありません。株取引では小額の投資からでもできますが、利益自体は100万円投資しても2.3万がいいところです。大方は損をしています。あるていどの収益を得るにはやはり1000万単位での投資が不可欠です。プロの投資家になると何億、何十億の投資を行っています。それぐらいの投資をしないと十分な利益がでないのが実情です。話を元に戻しますが、不動産の場合はモノがありますし、万が一返済が厳しくなった場合には物件の売却によって返済を9割方軽減、もくはゼロにすることが可能です。よほど無計画にやらない限りは物件の売却までいかないのがほとんどですので安心してください。(中古物件が少ない理由もこれですが)
総括
今回は一番オーソドックな資産形成についてご紹介しました。不動産の本道はコツコツ地道にやることです。やり方さえ間違えなければ不動産資産は大きくなっていきます。不動産のおもしろいところは、すぐに希望の収益を上げる人もいれば、何十年もかけて、莫大な収益を築きあげる人もいるという事実です。20年ほど前のバブルで日本は投資で痛い思いをしましたが、あれはあくまで短期の収益だけを考えた結果だからです。バブル崩壊後にもかかわらず、儲けた人は必ずいますし、今もきちんと儲け続けている人もいらしゃいます。それは株取引でも、先物取引でも同じです。ちゃんとやればちゃんと儲かります。要はそれを続けられるかどうかです。耳で情報をしっかり仕入れ、目で全体を見回し、脳でちゃんと考え、行動すれば大丈夫です。(了)